名古屋桐箪笥 今岡 利保さん
名古屋桐箪笥 今岡 利保さん
経済産業大臣指定・伝統的工芸品「名古屋桐箪笥」を製造するということは、先人の積み上げてきた技術や製造工程に敬意を表しながら、法律を守るように、決められた材料や工法に則り、決して手を抜かずに作り続けるということです。伝統工芸士として、毎日の作業をコツコツと続けていくことはもちろんのこと、伝統的技法や材料についての研究も行い、技術の伝承にも力を入れています。 また、弊社ではショールームを設けており、お客様の意見を直接伺いながら反映する新たなものづくりに励んでいます。 | |
きっかけ |
血ですね。親の仕事を見て育ち、気がついた時には機械の名前は知りませんでしたが、すべての使い方はわかっていました。したいことをするにはどの機械でどうやったら良いかをわかっていたのです。この業界に身を置くにはこれほどのアドバンテージはないと感じました。 |
江戸時代から続く製造スタイルの継承は技術だけに留まりません。材料や道具の知識も必要で、近年では手に入れにくい材料もありますし、道具を作る職人もどんどん少なくなっていますので、そのような現状にも目を向けなくてはいけません。場合によっては、伝統技法を活かしながら、素材を変えて現代生活に合わせた使い易い新商品を開発することも必要であると考えています。 今後も、様々な事に目を向け、創意工夫を重ねていきたいと考えています。 | |
伝統産業の仕事は先人達の遺産を受け継ぎ、それを忠実に再現する仕事です。それは覚えるまでには大変ですが、そこから先は特に大変なことはありません。むしろ楽な仕事です。しかし、それでは先人達に並ぶことはできません。現代のトレンドを取り入れた創作や異素材の活用など新たな挑戦をすることで先人達の遺産に新たな付加価値を追加し後世に継承できたら職人として最高の喜びとなると思います。 |